ローンについて

リバースモーゲージの申し込みや返済の条件と取り扱いがある金融機関の比較

リバースモーゲージ条件比較

リバースモーゲージは不動産を担保にしてお金を借り入れできる仕組みであり、銀行などの金融機関で申請できます。

基本的に借入期間は終身で元金は死亡時に返済するため、生きている間は返済負担を抑えられます。

この記事ではリバースモーゲージについて、申し込みや返済の条件、利用するメリットをまとめました。

この記事でわかること
  • リバースモーゲージの申込要件や借入金額の基準
  • 金利の種類や返済条件
  • 申請を検討できる金融機関の比較
  • リバースモーゲージのメリットとリスク

生活資金や新しい住居への移転に資金が必要で、現在の持ち家がある人は、参考にしてください。

リバースモーゲージは不動産を担保にしながら現在の住宅に住み続けられる

家を手放さずに資金を借りられる仕組み

リバースモーゲージは、主に高齢者が所有する不動産を担保にして、資金を借り入れできる仕組みです。

現在住んでいる住宅も担保の対象になり、借入期間中は自宅に住み続けられます。

借入の返済義務が生じるのは基本的に申請者の死亡時で、担保にした不動産を売却して元金の返済へ自動的に充てます。

そのため、借入期間中は元金の返済をする必要がなく、毎月返済するのは基本的に利息のみです。

リバースモーゲージには審査があり、年齢要件や不動産に一定の価値がない場合は、融資を受けられません。

申し込みに必要な各種要件や借入金額の計算について、詳しく解説します。

リバースモーゲージの申し込みでは属性や年齢要件を満たす必要がある

年齢や属性など申込条件を満たす必要あり

リバースモーゲージへ申し込みをする場合、多くの金融機関では以下の属性や年齢を満たさないと申請できません。

属性単身世帯、もしくは夫婦のみ日本国籍を持つ、もしくは日本の永住権等を取得している金利や費用を返済できるだけの年収担保にできる不動産がある
年齢要件申請者:50歳以上、もしくは60歳以上配偶者:申請者と同じ年齢要件年齢上限:制限なしの金融機関が多いが、ある場合は80歳未満が基準

基本的には50歳以上、もしくは60歳以上で本人か、配偶者と住んでいる人が申請対象です。

年齢や国籍などの要件を満たしていても、子どもや親族と同居している場合は申請できない可能性があります。

申請が通って借入した後は、資金用途についても一定の条件が設けられています。

  • 用途自由の場合:事業性資金や投資性資金に該当しなければ自由
  • 住宅ローン型の場合:住宅の建築や購入、修繕など住宅関連に限られる

生活費や娯楽のためにリバースモーゲージを利用したい場合は、用途自由の商品を選びましょう。

申請者自身の自宅が不動産として評価されて借入金額に影響する

自宅の評価額が借入額を左右する

リバースモーゲージでは申請者の自宅の不動産価値が、借入金額を決定する要素の1つとして参照されます。

不動産の評価基準は実際に審査を受けないと詳細に判明しませんが、主に以下の項目が評価基準にされます。

  • 築年数:新しい住宅ほど高くなる
  • 立地:都内など良い立地であるほど高くなる
  • 建物の状態:綺麗な状態や耐震性があると高くなる

金融機関によっては一部地域の不動産のみを対象とする場合があるため、立地によってはリバースモーゲージを利用できません。

都市部は不動産の価格変動リスクが低い点から対象とする金融機関が多く、反対に地方の不動産は対象外にされる傾向があります。

不動産を担保にする要件としては、以下のとおりです。

  • 申請者自身の自宅である
  • 抵当権が設定されていない、もしくは抵当権が譲渡できる状態である
  • 評価額が一定以上である

申請者自身の自宅という観点から基本的には一戸建てが担保の対象ですが、マンションも対象範囲とする商品もあります。

抵当権は住宅ローンなどで借り入れする際、融資する金融機関等が申請者の不動産を担保に設定できる権利です。

リバースモーゲージでも不動産を担保にする点から抵当権を設定する必要があり、債権者間では抵当権を譲渡できます。

しかし、以前の借り入れの関係で抵当権を譲渡できない状態の場合、担保要件を満たせない可能性があります。

借入金額は評価額と合わせて金融機関ごとの設定や返済負担率が参照される

金融機関ごとに違う借入可能額の決まり方

リバースモーゲージの借入金額は、基本的に不動産の評価額を含めた以下の3つを参照して決められます。

  • 対象の金融機関における借入金額の下限と上限:100万円以上8,000万円未満など
  • 評価額に対する借入金額:多くの場合で評価額の50%~60%前後で設定される
  • 返済負担率:ほかの借入やローンも含めて、基本は年収400万円未満の場合は30%以下、400万円以上の場合は35%以下で設定される

金融機関ごとに基本の借入金額が設定されていますが、借入上限金額については不動産の評価額や返済負担率によって変動します。

資金用途が自由であるリバースモーゲージでは、不動産の評価額に対する借入金額や返済負担率の基準を公開していない場合があります。

リバースモーゲージで借入金額を決める流れの例は、以下のとおりです。

  • 申請者は年収400万円以上で、住宅ローンを使用していない状態から住宅建築を希望する
  • 基本の借入金額が100万円以上8,000万円未満、かつ評価額が50%に設定されたリバースモーゲージを申請する
  • 不動産の評価額が5,000万円と診断される
  • 評価額の50%は2,500万円となり、基本の借入金額の8,000万円未満を満たす
  • 住宅建築に必要な資金分が2,500万円以下で足りる
  • 返済負担率が計算されて、35%以下の条件を満たす

金融機関によっては上記に加えて年齢や住宅ローン残高などを考慮して、借入可能金額が変動します。

金利は基本的に変動金利で元金は死亡時や不動産売却時に支払う

金利は変動、元金の返済はあとから

リバースモーゲージで採用される借入金利は、以下のとおりです。

  • 変動金利:基本の金利設定から市場金利が変動した際に利息も増減する
  • 固定金利:設定された一定期間で金利が変動しない

多くのリバースモーゲージでは変動金利を採用しているため、契約期間中の金利は変動する可能性があります。

固定金利は金利上昇のリスクを抑えられますが、元々の金利が変動金利の基本金利よりも高く設定されています。

そのため、市場金利の変動幅によっては、必ずしも固定金利のほうが金利が低くなるわけではありません。

返済については、元金と利息分で基本的に以下のような扱いをしています。

  • 元金:基本的には契約者が亡くなった際に一括返済、商品によっては元金の一部、または全部の繰り上げ返済が可能
  • 利息:元金と合わせて返済か、契約期間中に利息のみ毎月返済する

全額を繰り上げ返済する場合は、担保にした不動産をそのまま売却します。

利息は毎月返済になる商品が多いですが、一般的な借入やローン返済よりは毎月の負担は軽減されるでしょう。

リバースモーゲージの申し込み先として検討できる金融機関

リバースモーゲージ対応の主な金融機関

リバースモーゲージの申し込み先に迷っている場合、以下の金融機関は条件やサービス内容から利用を検討できるでしょう。

スクロールできます
金融機関対象地域資金用途借入金額金利事務手数料
りそな銀行のあんしん革命ライフイベントプラン店舗がある地域自由100万円以上10,000万円以下変動165,000円
楽天銀行のリバースモーゲージ全国自由100万円以上1億円以内変動融資極度額の1.65%に相当する額または220,000円のうち、高い方の金額
みずほ銀行のみずほリ・バース60全国住宅関連100万円以上8,000万円以内変動か固定を選択77,000円2027年4月1日以降は110,000円
三菱UFJ銀行のリバース・モーゲージ型住宅関連ローン東京都神奈川県埼玉県千葉県住宅関連建設や購入資金:100万円以上5,000万円以内リフォーム工事費:100万円以上1,500万円以内入居一時金:100万円以上1,500万円以内変動1件あたり110,000円
三井住友銀行の50歳からの住宅ローン東京都神奈川県千葉県埼玉県愛知県大阪府京都府兵庫県滋賀県大津市、草津市、守山市、栗東市、野洲市福岡県福岡市住宅関連100万円以上8,000万円以内変動110,000円

※2025年7月時点

対象地域や資金用途に違いがあるため、住んでいる場所や目的に合わせて選んでください。

りそな銀行のライフイベントプランは3年ごとに更新する商品がある

りそな銀行ライフイベントプラン

りそな銀行では、あんしん革命という名前でリバースモーゲージを提供しており、ライフイベントプランは用途自由で使えます。

あんしん革命ライフイベントプランの申込要件は、以下のとおりです。

  • 申込時年齢が50歳以上で、借入れにあたり銀行からカウンセリングを受けられる
  • 日本国籍を有する方人
  • 保証会社の保証を受けられる人
  • 公的年金、給与所得等の安定的な収入のある人
  • りそな銀行を給与振込口座に指定される人、または年金受取口座に指定される人

日本で永住権等を取得している外国人は対象外である点が、ほかのリバースモーゲージと異なります。

あんしん革命ライフイベントプランの基本情報は、以下のとおりです。

スクロールできます
当座貸越(都度借入)証書貸付(一括)
対象地域りそな銀行の営業エリア内近畿、
関東、中部が主なエリア
ほか地方にも一部店舗あり
同左
資金用途健全な消費性資金事業性資金、
投資性資金への使用不可
同左
借入金額100万円以上10,000万円以下
10万円単位
同左
借入期間契約期間3年3年後に審査と
意思確認後に契約更新
終身
借入金利所定のローン基準金利+1.000%~
2.500%の変動金利
所定のローン基準金利+0.500%~
2.000%の変動金利遺言信託を
受託している場合は、
借入金利より年0.5%優遇
返済方法元金は期日一括返済利息は
毎月5日に返済
同左
保証人原則、不要りそな銀行の
保証会社を利用
同左
手数料(税込)事務手数料:165,000円事務手数料:165,000円
一部繰上返済:5,500円
全部繰上返済:証書貸付11,000円
不動産売却時に残高
を返済できない場合
相続人の残債務の支払い義務なし同左

※2025年7月時点

必要なときに借り入れする当座貸越と、申請時に一括借入する証書貸付の2種類が用意されています。

当座貸越は3年ごとの審査と同時に、申請者に継続の意思を確認されます。

契約手続きは店舗か郵送で行えるため、自宅近くに店舗がない人も対象地域内であれば問題なく利用が可能です。

楽天銀行のリバースモーゲージは全国対応で自由に借入金を使える

楽天銀行リバースモーゲージ

楽天銀行では、用途自由のリバースモーゲージを取り扱っています。

楽天銀行のリバースモーゲージの申込要件は、以下のとおりです。

  • 借入時年齢満50歳以上の人
  • 日本国籍を有する人、または永住許可等を得ている外国人
  • 給与や年金等の安定継続した収入のある人
  • 楽天銀行普通預金口座を保有する人

楽天銀行の口座を利用する必要がありますが、ほかのリバースモーゲージよりも比較的求められる要件は少なく設定されています。

楽天銀行のリバースモーゲージの基本情報は、以下のとおりです。

申込資格極度型(自由プラン)証明型(一括プラン)
対象地域一部地域を除く全国同左
資金用途原則、自由公序良俗に
反するものを除く
同左
借入金額100万円以上1億円以内
10万円単位
同左
借入期間終身同左
借入金利短期プライムレートを基準とする
変動金利借入金額に応じて
利息が発生
一括借入分に対して利息が発生
返済方法元金は死亡時、
もしくは担保不動産売却時に
一括返済金利は毎月27日に返済
同左
保証人保証会社が連帯保証人となる同左
手数料(税込)楽天銀行への事務手数料:
融資極度額の1.65%に相当する額
または220,000円のうち、
高い方の金額保証会社への
不動産調査料:融資極度額の
1.65%に相当する額
楽天銀行への事務手数料:165,000円保証会社への不動産調査料:融資極度額の1.65%に相当する額
不動産売却時に残高を
返済できない場合
相続人の残債務の支払い義務なし同左

※2025年7月時点

自由に引き出せる極度型と、申請時に一括で引き出す証明型の2種類を用意しています。

WEB事前審査から契約手続きは郵送で完結するため、在宅で利用開始まで完結できます。

全国対応で用途自由のリバースモーゲージは限られているため、ほかの金融機関で対象外にされる地域の人は候補になるでしょう。

みずほ銀行のみずほリ・バース60は変動金利か固定金利を選択できる

みずほ銀行みずほリ・バース60

みずほ銀行では、みずほリ・バース60という名称で住宅ローン型のリバースモーゲージを提供しています。

みずほリ・バース60の申込要件は、以下のとおりです。

  • 申込時年齢が満60歳以上
  • 本商品について住宅金融支援機構の住宅融資保険の付保承認を受けられる
  • 日本国籍を持つ人、または永住許可等を受けている外国人
  • 同居の配偶者がいる場合、配偶者の申込時年齢が満60歳以上
  • 借換資金を利用する場合、住宅取得時に借入の住宅ローンの借入日から今回の申込日まで1年以上経過し、かつ今回の申込日までの1年間に返済遅延がない

資金用途で住宅ローンの借換資金に充てる場合は、返済遅延がない状態も申請要件に加えられます。

みずほリ・バース60の基本情報は、以下のとおりです。

スクロールできます
対象地域全国
資金用途申請者所有して居住する住宅の建築費新築住宅、もしくは中古住宅購入資金借入中の住宅ローンの借換資金居住する住宅の増築や改築、模様替え、修繕資金申請者が住み替えるサービス付き高齢者向け住宅の入居一時金子世帯等が居住される住宅の建築または新築住宅もしくは中古住宅購入のための資金
基本の借入金額100万円以上8,000万円以内1万円単位から
借入金額の上限設定以下のうち、最も低い金額の範囲内①住宅建築または購入の所要資金、入居一時金の額の100%相当額、借換資金の場合は現在お借入中の住宅ローン残高②担保不動産の評価額の60%以内
返済負担率年収400万円未満:返済負担率30%以下年収400万円以上:返済負担率35%以下
借入期間本人が亡くなった日、またはみずほ銀行が亡なった事実を知りえた日まで
借入金利変動金利方式か固定金利選択方式のいずれかを選べる
返済方法元本は期日一括返済利息は毎月20日(銀行休業日の場合、翌営業日)の支払い
保証人住宅金融支援機構の住宅融資保険が付保同居の配偶者は、連帯保証人になる必要あり
手数料(税込)融資手数料:77,000円2027年4月1日以降は110,000円金利切換手数料:11,000円繰上返済手数料:33,000円
不動産売却時に
残高を返済できない場合
相続人の残債務の支払い義務なし

※2025年7月時点

リバースモーゲージのなかでは珍しい金利を選択できる仕組みであり、2025年7月時点では以下のような金利が設定されます。

  • 変動金利方式:年率2.625%
  • 固定金利選択方式の固定10年:年率3.35%
  • 固定金利選択方式の固定20年:年率4.10%

固定金利は2つの年数が用意されており、変動金利よりも元々の金利は高いですが、変動時の金利上昇リスクは抑えられます。

三菱UFJ銀行のリバースモーゲージは利息の支払い日を選べる

三菱UFJ銀行リバース・モーゲージ型住宅関連ローン

三菱UFJ銀行では、リバース・モーゲージ型住宅関連ローンという名称で提供しています。

リバース・モーゲージ型住宅関連ローンの申込要件は、以下のとおりです。

  • 申込時の年齢が満60歳以上で、満80歳の誕生日までに借り入れする人
  • 自己所有の自宅、もしくは本商品を利用して建設や購入する自宅が対象地域にある
  • 夫婦、または単身
  • 公的年金、給与所得等の安定的な収入のある人
  • 住宅金融支援機構の住宅融資保険の付保承認を受けられる人
  • 所定のカウンセリングを受けた人
  • 日本国籍の人、または永住許可を受けている外国籍の人

ほかのリバースモーゲージと異なる点として、借り入れの年齢上限が満80歳とされています。

リバース・モーゲージ型住宅関連ローンの基本情報は、以下のとおりです。

対象地域東京都神奈川県埼玉県千葉県
資金用途申請者が居住する住宅の建設・購入資金およびそれに付随する費用申請者が居住する住宅のリフォーム資金住み替え先のサービス付高齢者向け住宅の入居一時金
基本の借入金額建設や購入資金:100万円以上5,000万円以内リフォーム工事費:100万円以上1,500万円以内入居一時金:100万円以上1,500万円以内すべて10万円単位から
借入金額の上限設定以下のうち、最も低い金額が上限①各資金使途の必要額②担保不動産の評価額の50%に相当する金額
返済負担率年収400万円未満:返済負担率30%以下年収400万円以上:返済負担率35%以下
借入期間原則、申請者が亡くなった日
借入金利変動金利
返済方法元金は期日一括返済利息支払日は毎月の6・11・16・21・26日のいずれかから選べる
保証人原則、保証人の必要なし同居の配偶者が満60歳以上の場合は、配偶者の連帯保証が必要
手数料(税込)事務手数料:1件あたり110,000円一部繰上返済:16,500円期限前完済:33,000円条件変更:11,000円
不動産売却時に残高を返済できない場合相続人の残債務の支払い義務なし

※2025年7月時点

資金用途は住宅関連のみであり、建築やリフォームなどの目的によって基本の借入金額の下限と上限が異なります。

毎月の金利支払いについて、支払い日を5つの選択肢から選べるため、給料日などの都合に合わせられます。

対象地域は多くありませんが、毎月の金利支払い日を調整したい人は候補になるでしょう。

三井住友銀行の50歳からの住宅ローンでは住宅ローン返済特化の商品がある

三井住友銀行リバースモーゲージ型住宅ローン

三井住友銀行では、50歳からの住宅ローンという名称で住宅ローン型のリバースモーゲージを提供しています。

50歳からの住宅ローンの申込要件は、以下のとおりです。

  • 申込時に債務者、連帯債務者ともに満50歳以上
  • 日本国籍の人、日本の永住許可を受けている外国籍の人
  • 公的年金等の安定的な収入のある人
  • 住宅金融支援機構の住宅融資保険の付保承認を受けられる人
  • 借入申請時において、既存住宅ローンの直近12回分の返済が遅延なく行われる(借り換え新時代のみ)

住宅ローン借換資金用の借り換え新時代のみ、ローンの支払い遅延が申込要件に加わります。

50歳からの住宅ローンの基本情報は、以下のとおりです。

スクロールできます
借り換え新時代住み替え新時代
対象地域東京都神奈川県千葉県埼玉県愛知県大阪府京都府兵庫県滋賀県大津市、草津市、守山市、栗東市、野洲市福岡県福岡市同左
資金用途申請者が居住する住宅の住宅ローン、リフォームローンの借換資金住宅のリフォーム資金借入にともなう所定の諸費用の支払い申請者が居住する住宅や宅地の購入、建築費用申請者が居住する住宅のリフォーム費用申請者の子どもが居住する住宅や宅地の購入、建築費用借入にともなう所定の諸費用の支払い
基本の借入金額100万円以上8,000万円以内10万円単位から同左
借入金額の上限設定以下の最も低い金額が上限額①既存の住宅ローン、リフォームローン残高、およびリフォーム工事費用の合計額②当初の売買契約書や麹請負契約書の契約金額およびリフォーム工事費用の合計額③担保不動産の評価額の30%~65%に相当する金額④返済負担率の範囲内以下の最も低い金額が上限額①自宅や宅地の購入、建築費用、もしくはリフォーム工事費用②担保不動産の評価額の30%~65%に相当する金額③返済負担率の範囲内
返済負担率年収400万円未満:返済負担率30%以下年収400万円以上:返済負担率35%以下同左
借入期間原則、債務者や連帯債務者、連帯保証人全員が亡くなるまで同左
借入金利変動金利型同左
返済方法元金は期日一括返済利息は契約時に指定された日に返済同左
保証人原則、不要配偶者がいる場合は連帯保証人になる必要がある原則、不要
手数料(税込)銀行手数料:110,000円返済条件の変更:5,500円書面による一部繰上返済:16,500円書面による全額繰上返済:33,000円同左
不動産売却時に
残高を返済できない場合
相続人の残債務の支払い義務なし同左

※2025年7月時点

借り換え新時代は住宅ローンやリフォームローン、住み替え新時代はローン以外の住宅関連全般で資金を利用できます。

借入金額や手数料などは変わりませんが、申請する際は目的に合うほうを選びましょう。

毎月の返済負担は少ないメリットと不動産価値の変動によるリスクがある

メリットの裏にある”変動リスク”

リバースモーゲージを利用する場合、メリットとリスクを考えて申請の検討や商品選びをする必要があります。

リバースモーゲージの主なメリットは、以下のとおりです。

メリット
  • 生活資金や住宅建築に必要な資金を確保できる
  • 毎月の返済がない、もしくは金利のみで負担が少ない
  • 借入に対して、所得税や住民税などの税金がかからない

元金は死亡時に一括返済するため、毎月の返済における負担は金利のみで必要な資金を借り入れできます。

リバースモーゲージを含めた借入全般は課税対象外であり、余計な税金を支払わないで資金を確保できる点もメリットです。

一方、リバースモーゲージは状況によって、以下のリスクが発生します。

リスク
  • 借入金額の見直しから借入可能金額を変更する場合がある
  • 相続人が残債務を支払う義務が発生する場合がある

借入金額は定期的に見直しが行われるため、都度借入する形式の場合、契約期間中に借入できる金額が減る可能性があります。

生活資金に充てる予定の人は、変更されるリスクを考慮して、借り入れする金額を計画しておきましょう。

商品によっては申請者の死亡時に、不動産を売却しても残高を返済できない場合、相続人が残りの金額を支払う必要があります。

相続人に負担をかけたくない場合は、相続人に残債務を請求しないと明言されているノンリコース型の商品を選んでください。

リバースモーゲージの条件を整理したうえで複数社の比較が判断の第一歩

条件を整理して自分に合った選択を

リバースモーゲージの申し込みや返済の条件、利用するメリットをまとめると、以下のとおりです。

  • 年齢要件は50歳以上、もしくは60歳以上で、本人か配偶者と住んでいる人が対象
  • 日本国籍の保有や日本の永住権等を取得していて、返済できるだけの年収がある
  • 申請者の自宅を担保として、不動産価値から評価額が算出される
  • 借入金額の上限は評価額や返済負担率を考慮して決定する
  • 金利は基本的に変動金利で、毎月の返済は利息のみの商品が多い
  • 元金は死亡時の不動産売却で返済されて、ノンリコース型の場合は残高が足りなくても相続人に残債務が請求されない
  • 金融機関によっては資金用途が住宅関連に限られる
  • 毎月の返済負担を抑えて、生活資金や住宅関連の資金を確保できる点がメリット

年齢などの要件を満たして、不動産に一定の価値があった場合は、担保によって借り入れができます。

金融機関によって対象地域や借入金額、必要な銀行口座が異なるため、条件を比較しながら申し込み先を選びましょう。